世界でも主要な火山地帯に属する我が国には、多数の火山が分布し、その地下には膨大な地熱エネルギーが蓄えられています。地熱エネルギーはわが国に豊富に存在する純国産エネルギーです。
地熱発電は、地熱によって生成された水蒸気により発電機に連結された蒸気タービンを回すことによって電力を発生させるという、再生可能エネルギーを活用した発電です。
地熱発電はCO2の排出がきわめて少ない再生可能エネルギーであるだけでなく、天候に左右されない安定した電源であることから、その利用拡大に大きな期待が持たれています。
しかし現実は、海外の主要な地熱資源国において地熱発電所が急増している中で、わが国だけが低迷しているのが実情です。
このような中、平成24年より、地熱発電に対するわが国の支援制度が刷新されるとともに、再生可能エネルギーの固定価格買取制度がスタートしました。
また、地熱発電の有望地域が多く存在する自然公園内での地熱発電に対する規制緩和がなされるなど、地熱発電事業の推進にとって望まれる環境が整備されつつあります。

地熱発電を行うためには、まず発電機に連結された蒸気タービンを回すために必要な水蒸気を取り出す坑井を設置する必要があります。具体的には、地質調査・物理探査等を含む地熱資源調査を実施し、その結果から坑井掘削計画を立案して掘削を行います。
掘削後は坑井内検層・噴気試験、流体性状調査含む貯留層の把握を行い、最適な発電量を算出します。
操業中の地熱発電所の環境調査、貯留層モニタリング調査や設備維持管理も必要となります。

地熱資源開発のフロー